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    感想と覚書に調べ物・・・時々くるま

    書物に魅せられた奇人たち/著:髙宮利行 (勉誠出版)

    1. 2022/08/22(月) 20:59:33_
    2. 読書
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    4. _ comment:0
    題:書物に魅せられた奇人たち (勉誠出版)
    著者:髙宮敏行

    図書館に行ったときにふと目が留まって借りた本。
    だってねぇ、副題は『英国愛書家列伝』ですよ、こんなんバックにあの古本屋の天使がいるに違いない!!
    と思ってしまったのです。
    愛書家、古書好きとの違いがイマイチわからないですが、著者は本自体の完成度や珍しさよりも著者の歴史と持ち主になった人と本の関係性(本への書き込みとか)が好きな方なんだろうかな?と思う本。
    荒っぽく言ってしまうと『著者と持ち主を古書から読み説く薄い本』が厚くなった感じ、でしょうか。

    感想

     
    【書物に魅せられた奇人たち】
    奇人?かどうかはさておき、出て来る皆さんみな賢い。
    うん、英語は日本語と違って古い言語と今の言語の間には随分な違いがあると聞きますので、古書を自由に読み説き出来る(そして高価な古書が購入できる)のはそれなりの立場&知能の人という事なのかもしれません。まぁ、蚤の市や古本屋さんで思わぬ拾い物をするのが醍醐味とは書いてはいますけども。古書収集家は自分が何時、幾らで本を手に入れたのか、遊び紙やタイトルページに署名を残すのが普通、というのも初めて知りました。で、時には『読むに値しない本』とか『よく読めば理解が深まる』とかちょっとした感想や、大学へ寄贈した本に『大学の職を取り上げられた○○』と(半ば当てつけに)自分を評したり、勿論贈り物の為に、『○○から△△へ』とあったり、この辺りは確かにとても面白いです。

    この手の本を読んでいるんと、知らない知識が当たり前としてできたりするのですよねー。今回は以前読んだ『聖書の庭/著:小出兼久』本が聖書やシンボル知識があること前提だった事を思い出します。
    そんな中、古書とは直接関係が無いのですが、知ってみて「おぉ」と思ったのが『紋章官』という職業、ヨーロッパで各個人の紋章に被りが無いか調べたり(同じ紋章があってはダメ)、デザインしたり、戦場では誰が死んだか等を紋章から判別したりするお仕事。特異的な職業で旅行時には一目で紋章官と分かるように派手派での服を着ていたとか。で、驚いたのが、紋章というは日本の家紋と違って、ずっと同じものを使用するのではなく婚姻によって両家の紋章が組み合わされ紋章画は増えて行く(図の中で分割されて描かれてゆく)ということ。大抵は位の低い紋章から消去されて行くようですが。

    文章は結構軽やか、しかし題名や人名の正確さの為に英語表記になっている箇所が多くて、英語を見ると拒否反応を起こす私的にはその点が辛かったなぁ。何はともあれ、絶対後ろにソーホーの古書屋が居る!と思える本でした(一切そんな記述は無いけれど)

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